はじめに|食べないことでしか見えないもの
昔、まだ3食しっかり食べてた頃。
仕事が忙しくて、昼ごはんを食べそびれた日が何度かあった。
会議に追われて、空腹を感じながらも食べずにそのまま仕事をしていたんだけど、
ふと気づいたら、妙に頭が冴えていた。
あの感覚、今になって思えば――
体が“食べないこと”を喜んでたんだと思う。
16時間断食に慣れてくると、「朝は食べなくても大丈夫だな」と思えるようになる。
でもそこからもう一歩だけ踏み込んでみたい人にとって、24時間断食はちょうどいいチャレンジになる。
難しいことはない。たった2食抜くだけ。つまり、夕食を食べたら翌日の夕食まで何も食べない。
それだけで、空腹の“質”が変わってくる。
今回は、そんな“食べない1日”を実際にやってみた体験をベースに、
時間の流れとともに感じたことをシンプルにまとめてみた。
こんな人に向けて書いています
- 16時間断食には慣れてきたけど、次の一歩に迷っている人
- 1日1食生活に興味があるけど、実際どんな感覚になるのか知りたい人
- 「空腹=我慢」と思っていたけど、本当はどうなのかを体験的に知りたい人
- つい食べすぎてしまいがちな日々をリセットしたい人
- “食べること”との関係を見直したい人
24時間の流れ|“何も食べない1日”はこう進む
⏱ 0時間(前夜)
スタートは前日の夕食を食べ終えた直後。
「明日は食べないぞ」と意識すると、ちょっと気持ちが引き締まる。
この時、食べる内容はかなり大事。
揚げ物とかジャンクなものを詰め込んでしまうと、翌日にその“重さ”が残って、誘惑に負けやすくなる。
できれば、肉・卵・味噌汁とか、体に素直に染み込むような食事で締めたい。
夜はしっかり水分をとって、軽く整えておく。
そうすることで、翌朝の“空腹の立ち上がり”がスムーズになる。
⏱ 12時間後(朝)
この時間帯はもう慣れたもの。
16時間断食を続けていると、朝を食べずに過ごすこと自体に違和感がない。
MCTオイルを少量入れたコーヒーやルイボスティーを飲むと、
体も温まりつつ、集中力がグッと上がっていく。
食欲はあるけど、そこまで強くない。
ここではまだ、「あ、今日は食べないんだったな」くらいの軽さで過ごせる。
⏱ 18時間後(午後〜夕方)
午後に入ってくると、空腹感がじわじわと浮かんでくる。
でもそれは「つらい空腹」ではなく、どちらかというと静かで澄んだ空腹感。
広告や飲食店の看板なんかを見ると、一瞬「食べたいな」と思う瞬間はある。
でもそれって、実際には空腹じゃなくて、目から入った刺激に反応してるだけなんだと気づく。
頭は驚くほどクリア。
食べてないのに、いや、むしろ食べていないからこそ、集中できてる感覚がある。
あの“昼ごはん抜きで冴えた午後”の延長線上にいるような感じ。
⏱ 24時間(夕方〜夜)
ついに、24時間が経過。
体感としては意外とあっさりしてて、「あ、もう1日食べてなかったんだな」という感覚。
空腹はあるけど、変に焦ったりしない。
不思議と落ち着いてて、「そろそろ食べようか」と自然に思えるくらい。
この時点でジャンクなものに手を伸ばす気はまったく起きなかった。
ちゃんと終えたいなっていう気持ちが、なぜか自然と出てくる。
🍽 回復食(その後の一口)
今回は、味噌汁にご飯と卵を入れて、ゆるめの雑炊にした。
薄味でも、ひと口目の美味しさに思わずニヤけてしまうレベル。
別に豪華でもないのに、ちゃんと味がするし、ちゃんと満たされる。
体が「こういうのが欲しかった」って言ってる感じがした。
この一食で十分だったし、変に食欲が暴れることもなかった。
いい感じで、1日を終えられたと思う。
空腹との向き合い方が変わった
今回の24時間断食を通じて、空腹に対する印象が少し変わった。
これまでは「空腹=つらいもの」「我慢するもの」という先入観があったけれど、
実際に1日を通して感じたのは、それとは違う落ち着いた感覚だった。
空腹は確かに訪れる。でも、それは思っていたよりも静かで、波のように寄せては引いていく。
一度強く感じても、水やお茶を飲んで少し落ち着くと、すっと引いていくことも多かった。
もうひとつ印象的だったのは、「食べたい」という気持ちの背景にあるものが見えてきたこと。
本当にお腹が空いているわけではなく、広告を見たから・時間だから・習慣だから――
そういう“無意識の流れ”で食べようとしていたことに気づいた。
食べない時間をつくることで、自分の感覚が少しずつ整っていく感じがあった。
「本当に必要なときに、必要なものを食べる」
ただそれだけのことが、これまでよりずっと自然に感じられた。
翌日、感じた変化
断食を終えて食事を再開した翌日、体と心の感覚が少しだけ整っているのを感じた。
前日までの“空腹モード”から一転して、朝は自然と体が軽く、頭もすっきりしていた。
特に強く感じたのは、食欲が妙に落ち着いていることだった。
食べること自体は楽しみだけど、「たくさん食べたい」とか「何か甘いものが欲しい」といった衝動がほとんどない。
食べる内容も自然と質素なものに手が伸びる。
味覚も少し変わっているように感じた。
薄味でもしっかり味がするし、むしろ濃い味付けには少し違和感がある。
“食べたいから食べる”ではなく、“必要だから食べる”という感覚に近い。
身体面だけでなく、頭の回転や集中力の持続時間にも違いがあった。
一度リセットされたような、すっきりとした地盤の上で1日をスタートできる感覚。
たった1日食べなかっただけなのに、これだけの変化があることが純粋に面白いと感じた。
またやりたくなる理由
断食が終わったとき、「やっと食べられる」というよりも、「またやってもいいかもな」と自然に思えた。
食べない時間に何か大きな成果があったわけじゃないけれど、
その1日を通して感じた余白とか、静けさのようなものが心地よかった。
食べないことが苦行ではなく、むしろ整える手段になる。
そんなふうに感じたからこそ、定期的にやってみたいと思えたのかもしれない。
なにより、「空腹と向き合う日」があるだけで、日々の食事への感謝が少しずつ戻ってくる。
毎日何気なく食べていたものが、少しだけ丁寧に感じられる。
それだけで、食べることも、過ごす時間も、どこか整っていく気がした。
おわりに|食べない日があるだけで、整っていく
特別なことはしていない。ただ、1日食べなかっただけ。
それだけなのに、体も、感覚も、どこかスッと整っていく。
「空腹は悪いもの」「何か食べてないと落ち着かない」――
そんな思い込みが、1日を通して少しずつほぐれていったように感じた。
特に、自分にとって印象的だったのは、頭がクリアになって、視界が開けるような感覚。
体が軽くなったとか、お腹が空いたというよりも、
目が開くような、静かにスイッチが入る感じがあって、それにハマった。
もちろん、誰にでも合うわけじゃないし、無理してやるものでもない。
でも、もし少しでも興味があるなら、“食べない1日”を試してみる価値はあると思う。
自分の感覚を少し整えたいとき、何かをリセットしたいとき。
そんなときに、またやってみようと思える選択肢が増えた気がする。
✴ 次回予告|48時間食べないと、何が変わるのか?
1日食べないだけでも、体や感覚に変化があった。
では、それが2日間続いたら――何が起きるのか。
次回は、48時間断食に取り組んだ体験をもとに、
空腹の深まりや、“空腹で眠ること”の心地よさ、
そして、回復まで含めた全体のプロセスをまとめる予定です。
もう少しだけ、空腹と向き合ってみたくなったら、その続きをまた読みに来てもらえたら嬉しいです。
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