こんな人に向けて書いています
- 睡眠時間をしっかり確保しているのに疲れが取れないと感じている方
- 断糖や糖質制限を始めてみたいけれど、睡眠への影響が気になる方
- 食生活と睡眠効率の関係を科学的に理解したい方
はじめに|断糖で感じた睡眠の変化
断糖を始めてから、私は睡眠時間が短くても足りるようになりました。
以前は7〜8時間寝てもだるさが残っていましたが、今は6時間前後でも朝スッキリ目覚められるようになりました。
「睡眠の量が減ったのに、質が上がった」と感じています。
なぜそんな変化が起きるのか、体験と科学の両面から解説します。
糖質と消化の負担
「炭水化物は消化に良い」と一般的に言われています。これは消化スピードが速く、胃に滞在しにくいという意味です。
しかし、速く吸収される=血糖値が急上昇する という側面があります。
その後インスリンが大量に分泌され、血糖値が急降下します。
これが眠気や倦怠感を引き起こし、睡眠リズムや回復力を乱してしまいます。
※炭水化物の消化特性(デンプンや食物繊維などの違い)については、別記事「炭水化物は本当に消化に良い?」で詳しく整理する予定です。
体験談|糖質を摂ると疲れが増す
普段は断糖してタンパク質中心の生活をしていますが、実家に帰ると「実家あるある」で食事量が増え、特に糖質を多く摂りがちです。
そのときに明らかに感じるのは、普段よりも疲れやすいことです。
断糖中は夕方でもまだ動けてエネルギーを感じられるのに、糖質をたくさん摂ると、
- 瞼が重くなる
- 体がだるくなる
- 「もう寝たい」と思う
といった症状が出ます。
糖質は一時的に血糖値を上げてくれますが、その後の揺り戻しが強烈に疲れを引き起こしているのだと実感しています。
断糖で消化が軽くなる理由
- 脂質やタンパク質中心の食事では血糖値の乱高下が起こりません。
- 消化に必要なエネルギーが減るため、その分を「回復」に使えるようになります。
- その結果、「短い睡眠でも十分休めた」と感じやすくなります。
つまり、断糖は「消化の負担を減らし、その分を睡眠効率に回している」と考えられます。
科学的補足:エネルギー効率と睡眠
食事の一部エネルギーは「消化・吸収」に使われます(食事誘発性熱産生, DIT)。
- 糖質:5〜10%
- 脂質:0〜3%
- タンパク質:20〜30%
一見すると脂質やタンパク質のほうが“負担”が大きそうに見えますが、実際には糖質が血糖値を乱し、自律神経やホルモンリズムを狂わせることが問題です。
特にインスリン分泌後の夜間低血糖は、中途覚醒や眠りの浅さにつながります。
空腹と睡眠の関係
「空腹だと眠れない」という人もいますが、私の体感ではむしろ逆です。
- 出来合いや質の低い食事をとるくらいなら、あえて食べない方が良いと感じています。
- 消化にエネルギーを使わない分、翌朝の寝起きがスッキリします。
- 空腹で眠ることで、次の食事が数倍美味しく感じられ、自然と体に良いものを選ぶようになります。
つまり、空腹が必ずしも睡眠を妨げるわけではなく、むしろ効率的に眠れるケースもあると考えています。
人類史的背景|糖質は新参の燃料
人類の歴史の大部分は狩猟採集時代であり、食事の中心は脂質やタンパク質でした。
糖質(農耕による穀物や精製炭水化物)が主役になったのはここ数千年に過ぎません。
にもかかわらず、脳はブドウ糖を瞬発エネルギーとして利用しています。
これは狩猟時代に「即時判断(獲物に出会う、敵から逃げる)」が生死を分けたためです。
- 瞬発=ブドウ糖
- 持続=ケトン体
という二重の燃料システムに進化したと考えられます。
普段の生活では持続型(ケトン体)が優位であり、断糖で睡眠効率が上がるのも自然なことです。
一方で「会話や戦闘など瞬発力が必要な場面」ではブドウ糖が活躍します。
糖質は「常用燃料」ではなく「緊急燃料」に近い存在だといえます。
糖質と現代病のつながり
糖質が現代病の原因とされる説もあります。
背景には、糖質の過剰摂取によって:
- 睡眠の質が下がる
- 体の回復が不十分になる
- 免疫力が低下する
といった流れがあると考えられます。
「寝ても疲れが取れない」と悩んでいる人にとって、糖質の摂り方は見直す価値が大きいと思います。
まとめ|断糖で睡眠効率を高める
断糖は「睡眠時間を減らすため」ではなく、睡眠の質を高めた結果、必要時間が短くなるものです。
- 消化の負担を減らせる
- 血糖値の乱れを防げる
- 翌朝のスッキリ感が増す
人類史の背景を見ても、私たちの体は脂質中心にアジャストしています。
だからこそ「断糖は睡眠効率を高めるライフスタイル」だと思います。
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