こんな人に向けて書いています
- 病気のときや体調不良のとき「消化に良いから炭水化物を食べなさい」と言われてきた方
- 断糖や糖質制限を始めたときに「消化にどう影響するのか?」が気になる方
- 炭水化物の消化スピードや血糖値への影響を科学的に理解したい方
はじめに|「消化に良い」の誤解
「おかゆやうどんは消化に良い」という言葉を、誰もが一度は聞いたことがあると思います。
私も昔は当然のようにそう思っていました。
しかし、断糖を実践してから「本当にそうだろうか?」と疑問を持つようになりました。
普段は断糖でタンパク質中心の食生活をしています。
その状態で炭水化物を摂ると、消化の快適さがまったく違うと体感するようになったのです。
体験談|糖質を摂ったときの違和感
- 断糖中:食後も軽く、夕方もエネルギーが残っている
- 糖質を摂取:夕方にだるさ、瞼が重くなる、早く寝たくなる
この経験から「炭水化物=消化に良い」という通説に大きな違和感を覚えました。
むしろ私にとっては「炭水化物こそ消化にエネルギーを奪う存在」なのではないかと感じています。
炭水化物が「消化に良い」とされる背景
なぜ炭水化物は消化に良いとされてきたのでしょうか?
答えは「分解と吸収が速いから」です。
- 白米やパン、うどんはデンプンが主成分で、消化酵素(アミラーゼ)によって速やかにブドウ糖に分解されます。
- 小腸で即吸収され、血糖値を急上昇させます。
- この「速さ」が「胃腸に優しい=消化に良い」と誤解されてきました。
しかし実際には、消化が速すぎる=血糖値の乱高下=体の疲労につながります。
炭水化物の種類と消化スピードの違い
炭水化物は一枚岩ではありません。種類ごとに消化スピードや胃での滞在時間が異なります。
種類 | 主な食品例 | 胃での滞在時間 | 消化・吸収スピード | 血糖値への影響 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
単糖類(ブドウ糖・果糖) | 果物、はちみつ、砂糖 | 短い | 非常に速い | 高い | 即吸収される。血糖値スパイクを起こしやすい |
二糖類(ショ糖・乳糖) | 砂糖、牛乳 | 比較的短い | 速い | 高い | 酵素で単糖に分解後すぐ吸収 |
精製デンプン | 白米、パン、うどん | 中程度 | 速い | 高い | 消化は早いが血糖値を急上昇させる |
レジスタントスターチ | 豆類、冷ご飯、未熟バナナ | 長い | 遅い | 低い | 難消化性。大腸で発酵し腸内環境に良い |
水溶性食物繊維 | 野菜、果物、海藻 | 長い | 消化されない | 影響なし | 消化を遅らせ血糖値上昇を緩やかにする |
不溶性食物繊維 | 穀類の皮、野菜 | 長い | 消化されない | 影響なし | 胃腸の滞在時間を延ばし、便通を促す |
👉 つまり「炭水化物=消化に良い」という言葉は、精製デンプンだけを指して広まった通説にすぎません。
人類史から見る炭水化物
人類史の大部分は狩猟採集の時代で、食事は脂質やタンパク質中心でした。
糖質(特に精製された炭水化物)はここ数千年で一気に主役になった「新参の燃料」です。
体が完全にアジャストしていないため、現代の「糖質過多」は消化・吸収・睡眠のリズムに大きな負担を与えていると考えられます。
病気のときの「消化に良い食事」は正しいのか?
「体調が悪いときはおかゆやうどんを」と言われます。
確かに消化にかかる時間は短いですが、血糖値を急上昇させ、むしろ体に負担をかける可能性があります。
本当に体に優しい食事は、消化に軽く、かつ血糖値を安定させる食品です。
例えば:
- 消化しやすいタンパク質(卵、白身魚、豆腐など)
- 少量の低GI糖質(オートミール、すりおろしリンゴなど)
- 栄養を補うスープや煮物
まとめ|炭水化物は一概に「消化に良い」とは言えない
- 炭水化物は種類によって消化・吸収の速さが大きく違います。
- 「消化に良い」とされてきたのは精製デンプンだけであり、それが誤解を生んできました。
- 断糖を実践することで、消化が快適になり、エネルギー効率も高まることを実感しています。
👉 今後は「消化に良い=血糖値を乱さない・体に負担をかけない」という観点で食事を選ぶ必要があると考えています。
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