はじめに|断糖は「制限」ではなく最適化
糖質を抜く「断糖」。聞くと「厳しい制限」「続けるのが大変」と思う人も多いでしょう。
しかし私にとって断糖は体調を整え、日常を快適にするための戦略になっています。
もちろん、体験を通じて分かったデメリットもあります。それでも工夫で十分にカバーでき、むしろ糖質を摂った後に生じる眠気や倦怠感の方がよほど面倒だと感じます。本記事では、私自身の体験に加え、科学的な知見を交えて「断糖ライフスタイル」のメリットとデメリットを整理します。
断糖で感じたメリット
1. 集中力の向上とエネルギーの安定
糖質を摂ると血糖値は急上昇し、その後急降下します。この乱高下が眠気や集中力の低下を招くことはよく知られています。
断糖では血糖値の変動がほぼなくなるため、空腹時でもエネルギー切れを起こしにくく、長時間の集中作業に向いていると強く感じました。
2. 免疫力の向上と老化防止
糖質の過剰摂取は炎症や酸化ストレスを増やし、免疫機能を乱す可能性があります。実際、断糖を始めてからは風邪をひくことがなくなり、体の防御力が高まったと実感しています。
また、老化の原因の一つとされる「糖化(AGEs)」の進行を抑える意味でも断糖は有効だと考えています。
3. 睡眠の効率化
糖質の消化には意外とエネルギーを使います。高糖質の食事を摂ると消化にエネルギーを奪われ、睡眠の質が下がることがあります。
断糖後は以前より睡眠時間が短くても朝スッキリ起きられるようになりました。消化負担が減ったことで睡眠の効率が上がったのだと思います。
4. 消化の快適さ
一般的に炭水化物は「消化に良い」とされます。実際、炭水化物はアミラーゼなどの酵素で素早く分解されるため、栄養学的には消化スピードが早い栄養素です。
しかし、私の体感では必ずしもそうではありません。脂質だけで食事をした方が胃が軽く、むしろ脂質+糖質の組み合わせ(例:ステーキ+白米)が最も重く感じるのです。
この「通説と体感のギャップ」には理由があります:
- 炭水化物は分解が早いが、その後の血糖値急上昇→インスリン分泌→低血糖リバウンドで眠気や倦怠感を招きやすい。
- 脂質は消化に時間はかかるが、血糖値を乱さずエネルギーを安定供給するため、結果的に「軽く感じる」。
- 脂質+糖質の組み合わせは消化吸収が長時間かかり、体感として最も重い。
具体例を挙げると:
- 例1:ラーメン+チャーシュー(脂+糖の典型)
- 例2:ピザ(チーズの脂+小麦生地の糖質)
- 例3:ケーキ(生クリームの脂+砂糖・小麦粉の糖質)
- 例4:ステーキ+白米(動物性脂肪+精製糖質)
こうした食事は美味しい一方で、食後の眠気や消化の重さを強く感じる原因になっていました。
断糖で直面したデメリット
1. 言語スピードの低下
英語学習や会話の場面で「言葉がすぐに出てこない」と感じることが増えました。脳は通常ブドウ糖を燃料にしていますが、断糖時にはケトン体が主燃料になります。適応が進めば効率は良いものの、思考スピードが一時的に落ちることがあるように思います。
2. 筋トレのパフォーマンス低下
高重量トレーニングでは、筋肉内に蓄えた「筋グリコーゲン」を使います。断糖状態ではこれが不足するため、爆発的な力を発揮しにくいと感じました。ベンチプレスなどの伸び悩みはこの影響だと思います。
科学的補足
- 脳とエネルギー源
- 平常時:ブドウ糖が主燃料。
- 断糖・断食時:肝臓で作られるケトン体が60〜70%を担える。
- ただし、赤血球などブドウ糖が必須な細胞もあるため、体は糖新生で最低限の糖を作り続ける。
- 筋肉と糖質 筋肉が力を発揮する時には、運動の強度や時間によってエネルギーの使い方が変わります。
- 短時間・高強度(ベンチプレスや100mダッシュ)では、筋肉内に蓄えたグリコーゲンを分解してATPを作る「解糖系」がメイン。酸素を使わずに素早く大量のエネルギーを作れるので、爆発的な力が出せます。一方、長時間・低強度(ウォーキングや軽いランニング)では、脂質を酸素と一緒に燃やす「有酸素代謝」が中心になります。こちらはエネルギー供給スピードは遅いものの、持続力に優れています。
👉 つまり、瞬発的な動きは糖質に依存しているため、糖質を完全にゼロにすると筋肉内のグリコーゲンが不足し、短時間で爆発的な力を発揮するのが難しくなるのです。
デメリットを補う工夫
私が採用しているのは「必要な場面でのみ良質な糖質を取り入れる」方法です。
- フルーツ(ベリー類、キウイなど)
- 低GI食品(さつまいも、オートミールなど)
これらを筋トレ前や集中したい学習前に少量摂ることで、言語スピードや筋力低下を補えています。
まとめ|断糖は体調を最適化する戦略
断糖には免疫力の向上、老化予防、睡眠効率アップ、集中力の安定といった大きなメリットがあります。一方で、言語スピードや筋トレパフォーマンスにはデメリットも存在します。
ただし、これらは良質な糖質を戦略的に取り入れることで十分にカバー可能です。
私にとって断糖は「厳しい制限」ではなく、健康とパフォーマンスを最適化するライフスタイルです。これからも断糖を続け、体調と生活の質を高めていこうと思います。
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